危ないシリーズその5 「これも一種の職業病??」 [実話ではないですが]
小児科のその日の深夜勤から日勤の時間帯は平和だった。
早朝、緊急で入院患者さんが入ったものの
その子もすぐに落ち着いた。
「今朝6時入院、虎目健司くん、2歳です・・・」
申し送りも順調に済んだ。
トラブルもなく順調に仕事がはかどる。
「ねえ、今日は普通すぎて退屈だね?」
「ほんとほんと~怖いくらいだね!」
ふたりのナースは、あっ!と気付く。
「今日は、こはくがいないからだ!」
「こはくは足手まといだからね」
「それだけじゃないというか・・・
あの子がいると、いるだけで妙な事件が起こったりするよね!!」
ふたりはゲラゲラと大笑い。
さて。
その日の午後4時。
この病院では、この時間が日勤から準夜勤への交替の申し送りの時間だ。
昼間の平和を知らないまま、こはくがやってきた。
(昨日は酷い目に遭ったわ~でもまあ、出勤できたからいいとするか!!
それにしても、いろんなことがあったなあ・・・)
こはくはここ数日に起こったことを思い出していた。
(全く、病院行ったらあんなことになるし・・・)
こはくを見た先ほどのふたりのナースは顔を見合わせる。
「準夜勤はこはくかあ~」
「でもまあ、特に何もないし大丈夫でしょう」
申し送り後、ふたりはこはくに言う。
「私たち深夜勤だから、それまで何事もなくつないでよね?」
こはくは胸を張る。
「大丈夫ですよ~私も2年目ですからね~任しておいてください!!」
日勤のナースたちが帰った。
こはくが検温の準備に大わらわだった時、見かけない医師がやってきた。
「私は今日入院した虎目健司の父ですが・・・私は内科病棟の・・・」
(ええ?お医者さんのお子様だったのか~~)
患者さんに区別はないのだが、こはくはやはり、緊張した。
「あ、今落ち着いていらっしゃいますよ。面会されますか?」とこはくが聞くと
虎目医師は
「いえ、結構です、ですがちょっとお願いが」
と言う。
聞けば、どうもいろいろ調べたら息子の名前の字画が悪いらしいので
入院している間、名札などは字を変えてもらえないか?とのことだった。
その日の準夜勤は主任も一緒だったのでこはくが主任に相談したら
正式な書類はどうかと思うけど、札くらいはいいんじゃない?とのことだったので
変えることにした。
「で、どういう字なんですか?」
「ええ、健司の「じ」をさむらい、という字にしてもらいたいんですよ」
「さむらい?ですか?」
「ええ、侍」
虎目医師はメモしてこはくに渡した。
(ん?達筆すぎて読めないなあ~でもまあ、わかるし、いいか!!)
こはくは
「はい、わかりました!!では部屋の表記はそうしておきますぅ」
とマジックなどを持って部屋に向かった。
虎目医師は満足そうに帰っていった。
。。。。。。。。。。。。。。。。
さて。出勤してきた深夜勤のナースたちは虎目健司くんの病室の前で
仰天した。
病室の前の札の名前が恐ろしく変わってる。
「ちょ、ちょっと!!こはく!!何これ!!」
こはくは、ああ、それは、と事の次第を説明した。
「何だ~そうだったの?てっきり、ふざけたのかと・・・
でも、これ侍じゃないじゃない!!」
「は??」
そこには「虎目健痔」と大きく書かれていた。
言われても、こはくはまだ、気付かなかった。
「そういえば、あんたこの前は、冷蔵庫に
(この「冷臓庫」に私物は入れないでください)って書いていたわよねえ・・」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
後日、こはくは看護師長にまた怒られた。
「虎目先生に気付かれる前に直せたからよかったものの・・・
知られていたらクビよぉぉぉぉ!!!
よりによって「痔」って何なのよ~~」
こはくは思った。
(何もかも、水晶子の呪いなんじゃないかな・・・)と・・・
早朝、緊急で入院患者さんが入ったものの
その子もすぐに落ち着いた。
「今朝6時入院、虎目健司くん、2歳です・・・」
申し送りも順調に済んだ。
トラブルもなく順調に仕事がはかどる。
「ねえ、今日は普通すぎて退屈だね?」
「ほんとほんと~怖いくらいだね!」
ふたりのナースは、あっ!と気付く。
「今日は、こはくがいないからだ!」
「こはくは足手まといだからね」
「それだけじゃないというか・・・
あの子がいると、いるだけで妙な事件が起こったりするよね!!」
ふたりはゲラゲラと大笑い。
さて。
その日の午後4時。
この病院では、この時間が日勤から準夜勤への交替の申し送りの時間だ。
昼間の平和を知らないまま、こはくがやってきた。
(昨日は酷い目に遭ったわ~でもまあ、出勤できたからいいとするか!!
それにしても、いろんなことがあったなあ・・・)
こはくはここ数日に起こったことを思い出していた。
(全く、病院行ったらあんなことになるし・・・)
こはくを見た先ほどのふたりのナースは顔を見合わせる。
「準夜勤はこはくかあ~」
「でもまあ、特に何もないし大丈夫でしょう」
申し送り後、ふたりはこはくに言う。
「私たち深夜勤だから、それまで何事もなくつないでよね?」
こはくは胸を張る。
「大丈夫ですよ~私も2年目ですからね~任しておいてください!!」
日勤のナースたちが帰った。
こはくが検温の準備に大わらわだった時、見かけない医師がやってきた。
「私は今日入院した虎目健司の父ですが・・・私は内科病棟の・・・」
(ええ?お医者さんのお子様だったのか~~)
患者さんに区別はないのだが、こはくはやはり、緊張した。
「あ、今落ち着いていらっしゃいますよ。面会されますか?」とこはくが聞くと
虎目医師は
「いえ、結構です、ですがちょっとお願いが」
と言う。
聞けば、どうもいろいろ調べたら息子の名前の字画が悪いらしいので
入院している間、名札などは字を変えてもらえないか?とのことだった。
その日の準夜勤は主任も一緒だったのでこはくが主任に相談したら
正式な書類はどうかと思うけど、札くらいはいいんじゃない?とのことだったので
変えることにした。
「で、どういう字なんですか?」
「ええ、健司の「じ」をさむらい、という字にしてもらいたいんですよ」
「さむらい?ですか?」
「ええ、侍」
虎目医師はメモしてこはくに渡した。
(ん?達筆すぎて読めないなあ~でもまあ、わかるし、いいか!!)
こはくは
「はい、わかりました!!では部屋の表記はそうしておきますぅ」
とマジックなどを持って部屋に向かった。
虎目医師は満足そうに帰っていった。
。。。。。。。。。。。。。。。。
さて。出勤してきた深夜勤のナースたちは虎目健司くんの病室の前で
仰天した。
病室の前の札の名前が恐ろしく変わってる。
「ちょ、ちょっと!!こはく!!何これ!!」
こはくは、ああ、それは、と事の次第を説明した。
「何だ~そうだったの?てっきり、ふざけたのかと・・・
でも、これ侍じゃないじゃない!!」
「は??」
そこには「虎目健痔」と大きく書かれていた。
言われても、こはくはまだ、気付かなかった。
「そういえば、あんたこの前は、冷蔵庫に
(この「冷臓庫」に私物は入れないでください)って書いていたわよねえ・・」
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
後日、こはくは看護師長にまた怒られた。
「虎目先生に気付かれる前に直せたからよかったものの・・・
知られていたらクビよぉぉぉぉ!!!
よりによって「痔」って何なのよ~~」
こはくは思った。
(何もかも、水晶子の呪いなんじゃないかな・・・)と・・・
2012-06-07 16:27
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コメント(23)
さてさて、これはフィクションでしょうか?
それとも、ノンフィクション?(笑)
by ぐるにゃ (2012-06-07 18:21)
☆NONNONオヤジさん、ありがとうございます。
☆ぐるにゃさんへ。
こんなことは全然なかった、とは言いませんが
そのまんまはさすがに書けないんですよ~
私の昔の関係者の誰かが見ているかも知れず(;^_^A アセアセ・・・
あ、これはあのときの話!
もしかしてこはくってアノ人??
とは、わからないように
あっちの話、こっちの話を捏ねくり回し・・・
by こはく (2012-06-07 18:29)
そういえば「痔」ってどうやって書くんだっけ?と聞かれ
自信たっぷりに、やまいだれに寿だよと言ったスタッフがいたことを
思い出しました(笑)
by かふぇママ (2012-06-07 19:42)
☆かふぇママさんへ。
・・ ヽ(;∇)ノ アハハハハ
やまいだれにことぶき!!
きっと、おめでたい病気なんでしょうねえ・・・
痔はおめでたくは・・・ないですが・・・
いやもう~~笑いすぎて本当に涙が・・・
by こはく (2012-06-07 20:13)
☆qoo2qooさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-07 20:41)
「痔」や「臓」
もう職業病ですね。
それだけ仕事熱心なんですよ・・・たぶん?(^^;)
でも、字画が悪いらしい2歳の子の行く末が気になります
by ふうりん (2012-06-08 10:26)
☆ふうりんさんへ。
これは半分実話というか
見習いさんに多い間違いでした(笑)
働きながら定時制の看護学校に通っていた方たち。
がんばってナースになるぞ!という気概が
私らのようなのんびり全日制卒業してなったのとは違い。
今、思い出して彼女らは今どうしているのか気になります・・・
あっはっは~
実際の字画の良さはどうかわかりませんが
字画がいいと幸せな人生だったら
みんな苦労はしませんなあ・・・
by こはく (2012-06-08 10:57)
☆xml_xslさん、ありがとうございます。
☆MDISATOHさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-08 10:59)
☆charlie_さん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-08 13:27)
☆今造ROWINGTEAMさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-08 18:32)
☆ぼんぼちぼちぼちさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-09 18:31)
侍⇒痔…
達筆だったら私も間違えそう(笑)
いるんですよね、
「字がお上手なのは認めます。。。だから楷書で書いて!!」
っていいたくなる人(笑)
うちの上司もそういうタイプです…。
(いつも読めなくって訂正されます(;一_一))
by りんごの花 (2012-06-11 00:28)
☆りんごの花さんへ。
字というのは性格が出るというか
楷書できっちり書く人はもしかして
相手に間違えられた過去があるか
間違えられたら困るのできっちり書いておこうと思う人なのかなと
思ったりします。
行書ならともかく草書なんて書かれた日には・・・
長年書道習っていた私でもわかりません。。。
その上司様は
訂正しないといけない状態が続いても
大丈夫なタイプなんですね(笑)
by こはく (2012-06-11 09:45)
☆fujikiさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-11 09:46)
☆SILENTさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-12 10:41)
☆マチャさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-13 10:26)
☆えーちゃんaaaさん、ありがとうございます。
by こはく (2012-06-15 16:28)
誤痔脱痔はご愛敬!
by U3 (2012-06-17 22:36)
☆U3さんへ。
いただいたコメントに爆笑、ではなく、すごい!と思いました(もっとうまい表現ができればいいのですが・・・)。
こういうことを思いつけるのは言葉を大切にしていらっしゃるからですね。
自分のもたもたしている文章がどうにも情けなく
もっとこう、すっきりまとめたいのですが・・・
どこから勉強していいのかわからないのです。
by こはく (2012-06-18 07:45)
まずは文章の旨い人のブログをよく読む事から始めてみては。
by U3 (2012-07-08 13:57)
☆U3さんへ
そうですよね、もうこの年ではなんて諦めていましたが
もう少しなんとかしたいなと思います。
ここに来てくださる方々、みなさんうまいです。
by こはく (2012-07-08 14:03)
(´▽`*)アハハ ボーナス査定に響きますなこりゃ。
しかし・・・わざわざ難しいほうを書くあたり、確信犯的な・・・いや、それこそ職業病だからしかたないのか?そうか?w
あ・・・あと、U3さんのセンスに嫉妬! GOO~D!です。
by p-ani (2012-07-21 18:09)
☆p-aniさんへ
私は本当にこんなもんじゃないくらい
お馬鹿なことを連発していましたが
ボーナスは同期と同じ額をもらっていました(笑)
さぞ同期は腹が立っていたことでありましょう(まるで他人事)
すいません、この話実はもう一ひねりのつもりでしたが
ちょっとまずいかなと思うようなことがありまして。
まあ、たいしたことじゃないですが。
実話じゃなけりゃ何を書いても大丈夫ってわけでもないですよね~~
U3さんは本当にすごいですよね、言葉のマジシャン、とお呼びしたいです。
で、私のことは女王様とお呼b・・いえ、何でもないです。
by こはく (2012-07-21 19:00)