危ないシリーズその7 「やはり、変」 [実話ではないですが]
柘榴医師がぐったり机に突っ伏していたら
後ろからポンと肩を叩かれた。
「どうした?そんなに大変だったの?」
柘榴医師が振り向くと、本来時間外来の担当だった医師が立っていた。
「あれ?先生、お子さんは大丈夫なんですか?」
柘榴医師は大学の先輩の内科医師の子供の具合が悪くなったので
急遽、代わったのだった。
「うん、今のところ大丈夫そうだから、これから時間外外来やるよ。
悪かったね、そんなに忙しかったの?」
内科医師が申し訳なさそうに聞いた。
柘榴医師は
「いや、忙しくはなかったんですけど、小児科のナースが患者として来て」
と、うんざりしたように答えた。
「ああ、そういう知り合いって診察しにくいよねえ」
「いや、そういう意味じゃなくて・・・」
「どういう意味?」
「う~ん、、、いや、いいです、たいしたことじゃないですし・・・」
「ごめんよ~その代わり、今夜は「ラリマー」で飲みなよ。
僕の名前でつけておいていいし、キープしてるボトルあけちゃっていいし」
「そうですか?いや、助かります!!ごちになります!!」
柘榴医師はやっと元気になった。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
居酒屋「ラリマー」は大学病院のすぐ近くにあり
職員たちの憩いの場になっていた。
全快祝い?としてやってきた、こはくと翡翠はとりあえず生ビールを注文した。
翡翠「具合悪かったのに、いいの?」
こはく「だいじょぶだいじょぶ。柘榴先生に診てもらったら
一気に治っちゃったよ、今まで気が付かなかったけど名医だねえ」
翡翠「そ、そうなの?ま、声が素敵な先生よね~
ちょっと惚れちゃったかも。私も体調崩したら診てもらおうかな」
「そういえば・・・」とこはくが何かを思い出した。「よくよく考えたら、先生に私の不調の原因、言うの忘れた」
「原因なんかあったの?」と、翡翠。
「実はさぁ~うちの病棟の看護助手に変な水買わされちゃってさ~」
「変な水?」
「何だったかな~「らりほうのお小水」とか言ってたかな?」
「いやだ~何それ?なんかの尿?」
「いや、さすがにそれはないだろうけど、言われてみれば変だったよ」
翡翠は
(こはくってやっぱり、どっか、おかしい)と確信した。
運ばれてきた生ビールでとりあえずふたりが乾杯し飲もうとした、その時、
「ああああああああああああ」
と、こはくが叫んだ。
「ちょっ!!何なのよ~こはく!」吹き出した翡翠が怒った。
「いや、思い出したんだけど、昨日の勤務のときにね
患者さんの尿検査あったのに提出するの忘れちゃったんだよ!!」
こはくの顔が青ざめている。
それを聞いた翡翠は・・・
「冗談じゃないよ!何でビール飲もうとするときに思い出すんじゃ~~~」
「すまんすまん、でもさっき、あんたも尿とか言ったから・・・とにかく電話してみる」
こはくが席を立った。
ビールを飲む気を失い、うなだれている翡翠の背後に人の気配が。
「あれ?あなたはさっきの。こはくちゃんを連れてきた人?」
「あれ?さっき診察されていた小児科の先生ですか?」
そこには柘榴医師が立っていた。
柘榴医師は翡翠に他の医師と交代して来たことを告げた。
「誰と飲んでるの?」傍らのビールを見て翡翠に聞いた。
「こはくです・・・今席を外していますが」
「・・・」
「ここだけの話だけどね~こはくちゃんを診て何だか疲れちゃって、ここに来ちゃったんだよ」
「あ~~わかりますぅ。私もかな~り、疲れちゃいましたし~」
そこへ元気(ゲンキン?)なこはくが戻ってきた。
「あはは~ちゃんと主任さんがやってくれてたんだって~~
・・・、あれ?柘榴先生、何でいるんですか?お仕事放棄しちゃったんですか?」
柘榴医師は説明するのも面倒で黙っていた。
「先生は癒し系ですね。何かこう、何も言わなくても患者さんが元気になるっちゅうか~」
こはくは褒めたつもりだったのだが柘榴医師にしたら
さらに脱力するしかなかった。
しかし・・・医師として言わないといけないこともある、と思った。
「ケーキ食べ過ぎてお腹痛かったんでしょう?
それに酷い虫歯もあるし。虫歯で命を落とすことだってあるんだよ?」
「え~怖い怖い」と言ったのは翡翠の方だった。
「こはく~悪いことは言わない、今すぐ歯医者行きなよ!!」
柘榴医師も
「僕の知り合いの歯科なら今も診察してるから、今すぐ行け!」
こはくは嫌がって暴れたが虚しく二人に引きずられて歯科医院に連れて行かれるのだった。
後ろからポンと肩を叩かれた。
「どうした?そんなに大変だったの?」
柘榴医師が振り向くと、本来時間外来の担当だった医師が立っていた。
「あれ?先生、お子さんは大丈夫なんですか?」
柘榴医師は大学の先輩の内科医師の子供の具合が悪くなったので
急遽、代わったのだった。
「うん、今のところ大丈夫そうだから、これから時間外外来やるよ。
悪かったね、そんなに忙しかったの?」
内科医師が申し訳なさそうに聞いた。
柘榴医師は
「いや、忙しくはなかったんですけど、小児科のナースが患者として来て」
と、うんざりしたように答えた。
「ああ、そういう知り合いって診察しにくいよねえ」
「いや、そういう意味じゃなくて・・・」
「どういう意味?」
「う~ん、、、いや、いいです、たいしたことじゃないですし・・・」
「ごめんよ~その代わり、今夜は「ラリマー」で飲みなよ。
僕の名前でつけておいていいし、キープしてるボトルあけちゃっていいし」
「そうですか?いや、助かります!!ごちになります!!」
柘榴医師はやっと元気になった。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
居酒屋「ラリマー」は大学病院のすぐ近くにあり
職員たちの憩いの場になっていた。
全快祝い?としてやってきた、こはくと翡翠はとりあえず生ビールを注文した。
翡翠「具合悪かったのに、いいの?」
こはく「だいじょぶだいじょぶ。柘榴先生に診てもらったら
一気に治っちゃったよ、今まで気が付かなかったけど名医だねえ」
翡翠「そ、そうなの?ま、声が素敵な先生よね~
ちょっと惚れちゃったかも。私も体調崩したら診てもらおうかな」
「そういえば・・・」とこはくが何かを思い出した。「よくよく考えたら、先生に私の不調の原因、言うの忘れた」
「原因なんかあったの?」と、翡翠。
「実はさぁ~うちの病棟の看護助手に変な水買わされちゃってさ~」
「変な水?」
「何だったかな~「らりほうのお小水」とか言ってたかな?」
「いやだ~何それ?なんかの尿?」
「いや、さすがにそれはないだろうけど、言われてみれば変だったよ」
翡翠は
(こはくってやっぱり、どっか、おかしい)と確信した。
運ばれてきた生ビールでとりあえずふたりが乾杯し飲もうとした、その時、
「ああああああああああああ」
と、こはくが叫んだ。
「ちょっ!!何なのよ~こはく!」吹き出した翡翠が怒った。
「いや、思い出したんだけど、昨日の勤務のときにね
患者さんの尿検査あったのに提出するの忘れちゃったんだよ!!」
こはくの顔が青ざめている。
それを聞いた翡翠は・・・
「冗談じゃないよ!何でビール飲もうとするときに思い出すんじゃ~~~」
「すまんすまん、でもさっき、あんたも尿とか言ったから・・・とにかく電話してみる」
こはくが席を立った。
ビールを飲む気を失い、うなだれている翡翠の背後に人の気配が。
「あれ?あなたはさっきの。こはくちゃんを連れてきた人?」
「あれ?さっき診察されていた小児科の先生ですか?」
そこには柘榴医師が立っていた。
柘榴医師は翡翠に他の医師と交代して来たことを告げた。
「誰と飲んでるの?」傍らのビールを見て翡翠に聞いた。
「こはくです・・・今席を外していますが」
「・・・」
「ここだけの話だけどね~こはくちゃんを診て何だか疲れちゃって、ここに来ちゃったんだよ」
「あ~~わかりますぅ。私もかな~り、疲れちゃいましたし~」
そこへ元気(ゲンキン?)なこはくが戻ってきた。
「あはは~ちゃんと主任さんがやってくれてたんだって~~
・・・、あれ?柘榴先生、何でいるんですか?お仕事放棄しちゃったんですか?」
柘榴医師は説明するのも面倒で黙っていた。
「先生は癒し系ですね。何かこう、何も言わなくても患者さんが元気になるっちゅうか~」
こはくは褒めたつもりだったのだが柘榴医師にしたら
さらに脱力するしかなかった。
しかし・・・医師として言わないといけないこともある、と思った。
「ケーキ食べ過ぎてお腹痛かったんでしょう?
それに酷い虫歯もあるし。虫歯で命を落とすことだってあるんだよ?」
「え~怖い怖い」と言ったのは翡翠の方だった。
「こはく~悪いことは言わない、今すぐ歯医者行きなよ!!」
柘榴医師も
「僕の知り合いの歯科なら今も診察してるから、今すぐ行け!」
こはくは嫌がって暴れたが虚しく二人に引きずられて歯科医院に連れて行かれるのだった。